保健師のつぶやきNO.7
山形産業保健総合支援センターの渋谷です。
9月中旬の山形は、空の青と山の深緑、田の黄緑のコントラストがどこまでも広がり、秋風が気持ちよく感じられました。あっという間に、山々は紅く色づき始め、朝は空気が冷えて霧がかり、コートが必要な季節になりました。山形は四季それぞれの表情があって美しいですが、夏は暑く、冬は豪雪で厳しい自然環境でもあります。そんな環境の中で生活している山形県民の皆様は逞しいと思います。私も山形県民ですが、すでに厚手のマフラーを巻いて通勤しています。そろそろ心も体も冬に向けて準備をしていかないと、と思います。
季節ごとに色んな表情をする田畑の風景を見るのが好きです。
農家の方々は、気温や湿度や天候をみて田畑を耕し、田植え、収穫、雨の日も様子を見に行かれたり、季節を通して自然と向き合われているのだなと思います。田植えの時期は一面鮮やかな緑色になり、これまでの労力に敬意を持ちつつ、眺めながら癒されています。寒くなってきてもまだ稲刈りが済んでいない田に関しては、農家の方の具合がわるいのかなと気になってしまいます。
農家の方々は寒い日も暑い日も常に肉体労働で体力を使いますし、食事・睡眠など健康管理が非常に重要だと思います。しかし会社のように健康診断や検診の日、休みが決まっているわけでもなく、検診受診率が低い傾向にあります(令和元年度厚生労働省の調べによると、過去1年に検診などを受診した者の割合は全体が69.6%であるのに対し、農林漁業従事者は62.7%でした)
運動量が多い分、長年続けておられると膝や腰の痛みが出てきて受診する方は多いと思いますが、健康診断も定期的に受けていただきたいと思います。
毎日美味しいお米や農作物を頂けているのは農家の皆様の日々のご尽力のおかげで、感謝と共に、健康状態も気になっています。
農業従事者の数は毎年減ってきており、知人のさくらんぼ農家さんも後継者がいないという理由やご自身の健康面から、長年大切に守ってこられたさくらんぼの木を伐採されました。私の祖父もデラウェアを作っていましたが同様の理由で農園を手放しました。少し寂しい気もしますが、長い間本当にお疲れ様でしたという思いです。
貴重なご経験を積まれた農家の方々が、ご自分の健康状態に関心を持たれ、定期的に健診を受け、結果の確認もされ、必要時は再検査や医療機関の受診をし、健康の維持、疾患の早期発見・早期対応をし、健康に長くお仕事に従事できますよう願っています。