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保健師のひろば

健康コラム 2020年1月号

2020.01.24

『現状を変えたいときは、行動分析としくみづくりが大事  ~ 今年こそは!と思っている方へ (2) 禁煙編 ~ 』

今年は、あまり雪が降らないまま年明けとなりました。だいぶ経ってしまいましたが、皆さん、年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。
昨年12月の健康コラムでは、現状を変えたいときの対策についての概要でしたが、今回は例を挙げ、具体的に記載したいと思います。新年の目標として挙げられることが多い「禁煙」を例にしてみます。禁煙を考えている方は参考にしてみてください。

(1)達成したい目標を決める
今回は、「禁煙」「喫煙習慣をやめる」という目標にします。

(2)なぜその目標を達成したいのか?を掘り下げて確認する
禁煙でよくある理由を挙げてみました。
「家族にやめてほしいと言われた」
→やめてほしいと言われて、なぜ自分はそれを実行しようと思ったのか?
「健康のため」 →なぜ健康を大事にしたいのか?
「前からやめたいと思っていたから」 →なぜ今やろうと思ったのか? 等
※掘り下げていくことで自分の気持ちを明確にし、本来の目標と自分がやろうとしていることが合致しているのかどうかを確認します。

(3)前後の行動や状況を振り返る(記録・分析)
●たばこを吸うまでの身体の反応や行動を振り返る
イライラする → タバコが吸いたくなる → タバコを探す(買う)→ タバコを手にもつ → 吸う
●どんな時に吸いたくなるか、実際吸っているかを振り返る
朝起きた時、食後、コーヒーを飲んだ時、手もち無沙汰なとき、  イライラしたとき、お酒を飲んだ時など
●吸っている時間帯、本数や1日で何本吸っているか、を把握する

(4)行動目標を決める((1)が達成できる行動を決める)
タバコを吸うためには、たばこを買う、手にもつ、喫煙所に行くという行動が必要です。何かをやめることを目標にすると、「~しない」ことを行動目標にしがちですが、行動は、「~しない」ではなく「~する」ということです。
禁煙するためには、「たばこを手にもつ」ことを減らす行動(代わりの行動の実行が必要です。例えば以下のような行動が考えられます。
・今あるたばこがなくなったら、禁煙を開始する。
・イライラしてたばこを吸いたいときは、ガムをかむ。
・食後は、すぐに歯磨きをする。
・手持ち無沙汰のときは、ストレッチや運動などで身体を動かす。
・いつも飲んでいるコーヒーを紅茶にする。
・たばこを勧められても断る(断る方法を考えておく)
・たばこを吸っている人からは離れる

(5)具体的に行動の時間やルールなどを決め(しくみづくり)、実行する(4)で挙げた行動目標を「○○のときは△△する」など具体的に決めて、それができたら手帳やスマホなどに記録しておきます。(3)の記録・分析が細かくされていると、自分に合った具体的な行動目標が立てやすくなります。

今回、禁煙をテーマにしましたが、ダイエットや運動などにも応用が可能です。
何か達成したい目標がある方は一度お試しください。

担当:山形産業保健総合支援センター 産業保健専門職(保健師) 板垣

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