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保健師のひろば

健康コラム 2020年4月号

2020.04.22

『 見直そう!生活習慣【1】 ~ 入浴習慣 ~ 』

桜も咲き、少しずつ暖かい日も増えてきましたが、皆さんの体調はいかがでしょうか。全国に緊急事態宣言が出されたことで、不安やストレスを感じている方も多いと思います。こんなときは、変えられない状況や出来事に目を向けるのではなく、家の中や現在の環境でできる、自分の意識や行動で変えられることに目を向けることが、心の健康を保つためには重要です。このコラムは健康をテーマにしていますので、今の時期に生活習慣の見直しや改善などに取り組むことをおすすめしたいと思います。

今回のテーマは、生活習慣のうちの「入浴習慣」です。肩までつかる全身浴は、身体を温め、血流を良くし、上がった体温を入浴の数時間後まで持続させる効果もあります。毎日全身浴をしている方は幸福度が上がる、要介護リスクが低くなる、という研究結果があり、全身浴は心と身体の両方に良い効果がありますので健康法として活用することをおすすめします。また、入浴法は他にもシャワー浴、みぞおちあたりまでつかる半身浴があり、それぞれ効果の違いがありますので、体調等に合わせて選んでみましょう。

●入浴法による心身への効果の違い
【全身浴】筋肉疲労回復、肩こり緩和、精神疲労(脳の疲れ)軽減の効果がある。
【半身浴】身体への負担が少ない。ゆっくりあたたまるのでリラックスしやすい。
【シャワー浴】血圧を上げ、目覚めを助ける(熱めのシャワー)。気分転換の効果もある。

●全身浴による3つの健康作用
【温熱作用】湯船で身体を温めると血管の拡張により血流が良くなる。代謝力アップ、痛みや筋肉等の緊張をやわらげるなどの効果がある。
【水圧作用】水圧で身体に圧をかけることで、心臓に血液を戻しやすくする(足のむくみ改善等)。
【浮力作用】浮力によって湯船の中では体重が約10分の1になる。重力から解放されて身体がゆるみ、リラックスできる。

●安全に全身浴をするための基本ルール
【1】入浴前に水分補給
入浴中は汗を大量にかくため、脱水症状予防のため、コップ1~2杯の水か麦茶などを飲む。
【2】湯船に入る前には、かけ湯で身体を慣らす
シャワーや手桶で手足などの末端から腹や胸などの中心に向かってかける。シャワーでかけ湯をする場合は、40℃のお湯で1~2分間を目安にする。
【3】40℃の湯に10分つかる
10分が長い場合は、湯船に5分→身体を洗う→5分つかる、などトータルで10分でも可。
40℃はヒートショックや熱中症などを起こしにくい温度であり、10分つかれば体温が0.5~1℃上がり血流が改善するため、全身浴による健康づくり効果は十分にある。
【4】入浴後にも水分補給
お風呂上りにもコップ1~2杯の水を飲むようにする。

参考資料:【1】情報誌へるすあっぷ21 2020年4月号「お風呂ドクターがすすめる「全身浴」」
【2】東京ガスくらし情報サイト ウチコト 「半身浴vs全身浴どっちが良い?効果と違いを徹底実験比較!」https://tg-uchi.jp/topics/5469

担当:山形産業保健総合支援センター 産業保健専門職(保健師) 板垣

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