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保健師のひろば

健康コラム 2020年5月号

2020.05.22

『 見直そう!生活習慣【2】 ~ 睡眠習慣 ~ 』

朝、起きた時になかなか起きれず、「もう少し寝ていたい・・」と思うことはありませんか?または、平日より休日の睡眠時間は多いけれど、それでもスッキリ起きれない・・・。
そんな方は、「睡眠負債」が溜まっている状態で、実は脳や身体の不調がある状態かもしれません。
睡眠負債の特徴は、眠れていないという自覚がないまま、いつの間にか脳や身体へのダメージが大きくなっている、そしてダメージが蓄積するとすぐに返せない(体調回復が難しい)という点です。
覚えたはずのことを度忘れしてしまう、疲れがとれずイライラすることが多いということも睡眠負債により起こっている可能性があります。
「もっと眠りたいけれど、時間がとれない」という方が多いと思いますので、今回は、睡眠の長さではなく、生活習慣を見直し、睡眠の質を高めて深く眠り、スッキリ起きられる方法をお伝えしたいと思います。
睡眠の質を高めるポイントは、眠り始めの90分を深く眠ること、よく眠り、スッキリ起きるための生活習慣を可能な範囲で取り入れることです。

●眠り始めの90分を深い睡眠にする習慣
【1】寝る前は何も考えず、なるべく頭を働かせないようにする
スマートフォン、パソコンの操作や、ドキドキハラハラするようなテレビや映画や本などを避けることで、脳を落ち着かせる。
【2】入浴は寝る90分前にする
入浴で体温が上がり、手足から熱が放散して(手や足は暖かくなる)、体温が下がることで眠くなるため、それまでの時間が必要。
【3】すぐに眠る場合は、ぬるめの湯船につかるか、シャワー浴で済ませる
入浴後すぐは体温が上がるため、目が覚めてしまう。すぐ眠る場合には、あまり体温を上げない方がよく眠れる。足湯も効果的。もし、靴下などで足を温める場合は、寝る前までにする。
【4】寝る時間を一定にし、寝る前の行動もいつものパターン(習慣化)にする
いつもどおりにすることで脳を落ち着かせ、眠りやすくする。

●よく眠り、スッキリ起きるための生活習慣
【1】アラームを「20分間隔」の2つの時刻にセットする
【2】起きたら「日光」を浴びる
【3】起き抜けは「裸足」で過ごす(手足を冷やすことで目が覚める)
【4】起きたら、冷たい水で手を洗う(    〃      )
【5】朝食を食べ、よく噛む(脳を目覚めさせる)
【6】頭を使う仕事や大事なことは「午前中」に行う
【7】「夕食」を抜かない、眠る1時間前までにとる

睡眠には、脳や身体の休息、記憶を整理して定着させる、ホルモンバランスを調整する、免疫力を上げる、脳の老廃物をとるなどの重要な役割があります。
もし、自分の睡眠をチェックしてみたいという方は、参考資料【1】に3DSSチェックシートという睡眠習慣をチェックするシートがあります。また、睡眠に関する様々な情報がわかりやすく掲載されていますので、参考にしてみてください。

参考資料
【1】目覚め方改革プロジェクト https://mezame-project.jp/
【2】スタンフォード式 最高の睡眠  西野精治著
【3】PRESIDENT Online 「週末は長めに寝てしまう人」の脳や体は危険な状態にある
https://president.jp/articles/-/33658

担当:山形産業保健総合支援センター 産業保健専門職(保健師) 板垣

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