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保健師のひろば

健康コラム 2020年7月号

2020.07.28

『 悩んでいる・モヤモヤしているときの頭と心の整理方法 ~ とりあえず、書き出してみる ~ 』

皆さんは、悩みがあったり、モヤモヤして考えがまとまらず、なかなか決められないときなどには、どのように対応していますか?
「人に話を聞いてもらい、意見を聞きながら整理する」という方法もありますが、相手がいないとできず、また、人に話せない悩みのときもあったり、いつでもできるという方法ではありません。
しかし、自分ひとりの時にでも、いつでもどこでも頭の中や心を整理できる方法があります。それは、「書くこと」です。
すでに実践されている方もいらっしゃるかもしれませんが、悩みやモヤモヤしていることを紙に書き出してみると、自分が何に悩んでいるのか、何が問題なのかを文字として客観的に見ることができ、状況を整理することができます。そうすると、今まで見えていなかったことや別の考えなどに気づくことができ、解決に向けて何をすればよいのかが、頭の中だけで考えていたときより、はっきりしてきます。
また、自分が気づいていない、行動や感情などの自分のパターンを知るためにも、「書くこと」は役に立ちます。この場合は、毎日、出来事やその時の感情などを記録していきます。
参考資料では、書くことを2つ挙げて、毎日1行でもよいので書いて記録しておくことを勧めています。コツコツ半年くらい続けていると、【1】の項目が減り、【2】の項目が増えて、本人に変化がでてくるそうです。

<書くこととその効果>
【1】気持ちや心のエネルギーを下げた出来事や行動
→何が自分のストレスになっているのかを自覚でき、それを減らすための対策を具体的に思いつく。
【2】気持ちや心のエネルギーを上げた出来事や行動
→何が自分にとって嬉しい気持ちになるかがわかり、それを活用して自分の心のエネルギ
ーを上げることができる。

紹介した以上の2つでなくても、まずは、その日あった、自分にとって印象的な出来事を記録しておくことから始めてもよいかもしれません。私の場合ですが、1年位前から、毎日(できないときは次の日に書きます)、今日あった出来事と思ったことを記録することを続けています。振り返ってみると、こんな出来事があったのか、こんなことを思っていたのかと、過去の記憶を取り戻し、また自分の考え方の変化などに気づくことができるものと実感しています。また、書くことの効果と少しずれてしまいますが、漢字を忘れてしまっていることに気づき、調べることで、脳の活性化にもなっています。
今は、仕事やプライベートでもパソコンやスマートフォンでの入力で文章を作ることが普通になっていますが、原点に戻り、「書くこと」の効果を感じてみてはいかがでしょうか。

【参考資料】
・へるすあっぷ21 2020年6月号 “書く習慣”メソッド(理論編)~頭を整理して心を片付ける~
・へるすあっぷ21 2020年7月号 “書く習慣”メソッド(実践編)~記録することで感情をコントロール~

担当:山形産業保健総合支援センター 産業保健専門職(保健師) 板垣

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