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保健師のひろば

健康コラム 2019年12月号

2019.12.25

『現状を変えたいときは、行動分析としくみづくりが大事  ~ 来年こそは!と思っている方へ (1) ~ 』

今年も残りあと少しとなりました。みなさんは、今年したかったのにできなかったこと、来年はこうなりたい!と思っていることはありますか?
今回は行動分析学の視点で、したい・なりたいこと(目標)を達成し、現状を変えるための方法について、お知らせしたいと思います。
これまでも目標を立てて取り組んだ経験はあると思いますが、達成できなかったのは、決して意志の弱さや、やる気のなさが原因ではありません。「やろうと思ったこと、やりたいこと、やるべきことをしていない」「やめようと決意したこと、すべきでないことがやめられない」、これらは行動の問題であり、行動の直前と直後の変化(結果)に左右されます。
例えば、皆さんが体重を気にしつつ、ついついしてしまう「間食をする」という行動ですが、間食をした直後には、おいしさや幸福感を感じたり、ほっと一息つけたり、空腹感がおさまったり、いい感覚を感じると思います。しかし、間食をすることを繰り返していれば、体重が増える、といったよくない結果も起こりますが、行動の直後には体重の変化はなく、やめようとは思いません。
「間食をする」→いい感覚になる、という行動直後の変化があるため、行動が繰り返されてしまうのです。
また、行動は単独に起こっているのではなく、様々な状況や行動がつながって起こっています。間食の例としては、残業で自炊をする時間がない→コンビニで夕食を買う→ついでにお菓子も買う→ご飯を食べたあとに、間食する、など。または、家族がお菓子を家に常備している→夕食ができるまで、がまんできず間食してしまう、という場合もあると思います。同じ「間食をする」という行動でも、その前の状況や行動が違うため、対策は異なります。

方法の概要については以下の(1)~(5)になりますが、次回、具体例を挙げて詳しく説明したいと思います。
(1)達成したい目標を決める
(2)なぜそれを達成したいのか?を掘り下げて確認する
(違う目標の方がうまくいく場合もあるため)
(3)前後の行動や状況を振り返る(記録・分析)
(4)行動目標を決める((1)が達成できる行動を決める)
(5)具体的に行動の時間やルールなどを決め(しくみづくり)、実行する

現状を変えるためには、日常生活の自分を見つめなおすことから始まります。
ぜひ、今年一年のご自分の行動を振り返っていただき、来年につなげましょう。

担当:山形産業保健総合支援センター 産業保健専門職(保健師) 板垣

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